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2006.06.28

読書感想文のポイント!? 小学校高学年の部 「紅玉」

今年の読書感想文を読んでみて、どんなところに気をつけて読んだらいいかな、それを親がアドバイスするとしたらこんな感じかな?、というようにまとめてみます。

4406032118 紅玉
後藤 竜二
新日本出版社 2005-09

by G-Tools


あ!これって絵本?!

 あなたがこの本を読んでみようと思った理由はなんでしょうか。わたしはまず表紙のきれいさにひかれました。遠くに広がるうっすらと雪をかぶった山々。そして目の前にはおいしそうなりんご。こののどかなでほのぼのした表紙にまずひかれて、この本を手にしました。

この本ってぱっと見は絵本ですよね。でも読んでみると決して単純な絵本ではありませんでした。そのギャップに驚きました。大人のわたしでも読んだあとに考えさせられる物語でした。実際に語られていた言葉をもとに書かれた物語なので、一文一文がびしびしと伝わってきました。

この物語をより深いものにしてくれたのが、それぞれの場面の絵。これは油絵でしょうか、リアルな絵ではないのですが、この筆遣いがこの物語にはぴたりとはまります。おいしそうな紅玉。喜びが伝わってくるりんご箱づくり。戦争のつらさが伝わってくる強制労働者のようす。わかりあえたリーダーのたたずまい。どれも物語と絵がお互いを引き立てて、その場の空気までも伝えてくれました。

この本を読むことで、絵本に対してなんとなく「幼稚」「子供向け」と考えていた思いが、間違えだったことに気づくのではないでしょうか。物語と絵が重なり合って、そしてより深いものになる。絵が頭の中でイメージでき、自分の体験や経験とリンクしてよりいっそうはっきりとしたものになる。おとなでも絵本に遠慮せず、手をのばしていきたい、そんなことをこの物語を手にしながら考えました。

こんな感想文(の骨組?)を考えてみました。高学年向けの課題図書なのに、絵本のかたちなのはなんででしょう?

この本は、戦争や民族の争いなど内容はとても深い話です。でもこの深い内容をきちんとあなたに考えてほしいから、だから絵本のかたちなのかなと思いました。戦争についての感想だけではなく、この本の絵についても考えてみて欲しいですね。

他にもこんな視点でこの本について考えてみてはいかがでしょうか?

紅玉 りんごの強さについて

毎年同じように実をつける紅玉
毎年同じように思い出す物語自然の力
長い歴史 人間の歴史 人間の思い

戦争について

強制労働の事実を知っていたか
他にもどんなことがあったのか
知られている事実 知られていない事実
戦争責任ってなんだろう

言葉が片言でも気持ちが通じたことについて

なんで相手のリーダーは納得したのか
なんでとらないでくれと言えたのか
今の自分ならこんなことができるか
できないと考えるならなぜか

保護者の方へ

高学年の読書感想文ではあまりお手伝いすることがないかもしれません。でも子供が「なんだろう」「どうしてだろう」「どんなことがあったんだろう」って思うことについて、考えるお手伝いはしてあげたいと思います。

戦争がテーマの本です。でもとおりいっぺんの戦争反対!の感想で終わるのではなく、もっと自分たちの身近なところで戦争を考えてみるきっかけになる本ではないかと思います。同じように田舎のおじいちゃん、おばあちゃんにお話を聞いてみるとか、近くの戦争に関する史跡を訪れてみるとか、親もいっしょに身近な戦争の残したものについて考えてあげたいと思います。

毎年かわらぬ実をつける紅玉。そんなかわらぬ自然、歴史の中に、戦争の残したものが刻まれていく。それがテレビの中の世界だけではなくて、おじいちゃんやおばあちゃん、自分たちの住むこの町にも、同じようにあるんだ。そんなことを考えていけば、自然に深みのある読書感想文が書きあがっているのではないでしょうか。

本の感想だけではなく、本を読んで何を思い、そしてどう行動したか、そこまでつなげていって欲しいと思います。

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