読書感想文のポイント 「りんごあげるね」 小学校中学年の部
生きているもの 死んでいるもの
ピピッチは空色のセキセイインコ。すべすべの羽は光って見えるほどきれいでした。でも死んでしまったピピッチの羽は、ぬれたようにきたなくなっている。あたたかくてふわふわしていたのに、今ではかたくてつめたいピピッチ・・・。
この本では、生きているときの様子と死んでしまったときの様子が、とてもていねいに比較して描かれています。目に見えるようすだけでなく、そのときの気持ちも比較して描かれています。
生きているものと死んでしまったもの、何がどんな風に違ってるでしょうか。あなたが見たことがある、生と死はありますか?
つながっている命
- ようすけくんはなぜ、カラスに元気でいて欲しいって言ったのでしょうか?
- れいちゃんはなぜ、カラスにがんばれ!って言ってあげたのでしょうか?
- ようすけくんがもってきたりんごを、なぜカラスにあげたのでしょうか?
それぞれの場面ごとにれいちゃんの気持ちが変化しているようです。ピピッチに対する気持ち、カラスに対する気持ち、ようすけくんの言葉に対する気持ち、それぞれがどんな風に変化していったのか考えてみましょう。すると、れいちゃんのどんな気持ちが、どう変化したのか、つまりピピッチの死を受け入れるようになっていったのかを読み取れると思います。
雑感
今年の課題図書には、「死」をあつかった作品が目立ちます。小学校低学年の部の「おじいちゃんのごくらくごくらく」では、肉親であるおじいちゃんの死をあつかいます。そして中学年の部ではこの「りんごあげるね」で、身近なペットの死を、高学年の部では、「平和の種をまく―ボスニアの少女エミナ」では戦争を通して人の死を訴えます。
死を理解しにくい時代に生きているこどもたちに、課題図書をとおして少しでも何かが伝わればいいなと思います。
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