読書感想文のポイント 小学校低学年の部 「ふしぎなキャンディやさん」
ふしぎなキャンディーやさん (新しいえほん) みやにし たつや 金の星社 2007-09 by G-Tools |
「おとうさんはウルトラマン」「おまえうまそうだな」でおなじみの宮西達也さんの作品です。読んでいくと最後にはじんわりとくるのかなって思いながら読み進めたけど、あれ、あっさりおわった? どういうこと?
この本は読書感想文を書くには難しいかなと思いました。なぜかというと、大きなテーマというか、うんちくが読んだ後に残らないんですよね。たとえば戦争反対!とか命は大切!とかいう、いかにも読書感想文コンクール向けのようなテーマがないんです。
でもよく考えてみると、それっていかにもなテーマについてよくある形で感想文を書くってことになってしまいますね。先生や審査員の人に受けるような感想文にはなるかもしれないけど、本当の自分の感想文にはなりません。
純粋にお話を読んで思ったことを書くことがこの作品の感想文を書くポイントだと思います。みどりいろのあめをなめてみたい!このタヌキのおじさんって、本当にタヌキだなあ・・・。オオカミのまち、オオカミだらけはコワイよ!なんであかいろを3つなんだろう。おもしろいこと、楽しいこと、やってみたいこと、不思議に思ったこと、素直ないろいろな感想がきっとでてくるでしょう。
いかにもなテーマの存在を感じない作品をあえて課題図書に選んだんでしょうか。小学校低学年の部の課題図書です。純粋に楽しいおもしろいと思った気持ちを感想文に書いてもらいたい、そんな意志のあらわれなのかもしれないと思いました。
こんなやり方でOK!読書感想文の書き方
小学校低学年の子におすすめの読書感想文の書き方は、「5つの感想すらすら大作戦」です。
「五つの感想ですらすら」作戦 (From 宮川俊彦のオタスケ授業 読書感想文がラクラク書けちゃう本): 「夏の課題図書」 読書感想文を書こう!
- 本と出会った感想を書く
- ざざっと読んだ感想を書く
- じっくり読んだ感想を書く
- テーマを見つけて感想を書く
- ストーリーや、いろんな場面や、セリフについての感想を書く
こんな順番で思ったこと、考えたことを書き出していくと感想文のできあがりです。以下、簡単ですが5つの感想とその理由を書き出す形で感想文を書いてみたいと思います。
- 本と出会った感想を書く
- 読書感想文の課題図書 小学校低学年の部の中では一番最後に手にとった本がこれだ。
- なぜかというと表紙の絵があんまりかわいくなかったから。
- ざざっと読んだ感想を書く
- さっと読んでみたら、ふーんという感想。
- あめをなめたら変身できて、ピンチもアメのちからで助かることができた。
- メルモちゃんの時代からアメってすごのかもしれないけど、でもよくあるお話だよなぁ。
- じっくり読んだ感想を書く
- でもよく読んでみると、ん?と思ったことがふたつある。
- なんでキャンディーやさんはあめをくれたんだろう?ただで全部のあめをなめさせて、なんのために?
- なんでぶたくんはあかを3つえらんだんだろう?力持ちのきいろ、ライオンの声のあおだってあるのに、ブタくんが選んだのはあかを3つに、みどりを1つだった。
- ブタくんは、コワイおおかみの姿になれるキャンディーがいちばんスゴイと思ったのかな。
- テーマを見つけて感想を書く
- オオカミというコワイ姿になってみんなをおどかしまわるブタくん。ユーモラスに描かれているけど、これって虎の衣を着る狐、もといオオカミの衣を着るブタです。
- 強い姿になってしまえば、それまでとは正反対の立場になってしまうんだ。なんだか人間社会でよくある話だ。
- また同じ姿をしている仲間にはやさしいオオカミ。中身がブタだとわかったら、もう容赦しない。これも人間社会でよくある話にも思えた。
- ストーリーや、いろんな場面や、セリフについての感想を書く
- 「やっぱりふつうのキャンディーがいいや」
- 強い姿にあこがれて、無理やりそんな姿になって痛い目に会ってしまったら、きっとブタくんと同じセリフをはいてしまいそうだ。
- まとめ
- 最初はよくあるお話だなっておもったこの作品。でも実はもっと深い作品なのではないか。
- キャンディーのような甘い話がいっぱいころがっている現代。なんでもとびついて痛い目に会わないようにしなさいなって、教えようとしているのかもしれませんね。
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